2025.04.29
【靴のニオイ撃退完全ガイド】雑菌・湿気・皮脂に効く“最強の消臭スプレー”と6つの対策
とくに湿気が多くなる梅雨や夏場になると気になり始める靴のニオイ。
その主な原因は、汗・皮脂・湿気が組み合わさることによって繁殖した雑菌です。
あまり実感はないかもしれませんが、足は1日でコップ1杯分の汗をかくとも言われています。なので通気性の悪い靴の中には湿気が溜まりやすく、そこが雑菌の温床となり、アンモニア臭やカビ臭といった強烈なニオイを発生させてしまうのです。
こうしたニオイを防ぐには、単に香りでごまかすタイプの消臭スプレーなどではなく、原因菌を除去する「除菌機能付きの消臭スプレー」と「湿気対策」が欠かせません。
そこで本記事では、靴のニオイの原因である雑菌と湿気を撃退するための消臭スプレーについて解説していきます。
消臭スプレー以外の基本的なニオイ対策法も紹介するので、毎年靴のニオイに悩んでいるという方はぜひ最後までご覧ください。
■ 目次
靴でアンモニア臭・カビ臭が発生するメカニズム

消臭方法を知る前に大切なのは、ニオイが発生する仕組みや原因を理解することです。
ここの理解が深まれば、今後も迷うことなくニオイの原因別に適切な消臭スプレーを選ぶことができるようになります。
本項目ではまず、靴の中でアンモニア臭・カビ臭が発生するメカニズムを詳しく解説します。
1.靴の中に湿気が溜まる
まず、足の裏にはエクリン腺という汗腺が多く集まっています。これが前述の「足は1日にコップ1杯分の汗をかく」の原因です。
さらに靴は履いている間は常に足にぴったりとフィットしているので、水分の逃げ場がありません。これがそもそもの湿気の原因です。
2.足裏の皮脂や古い角質と湿気が混ざって雑菌が繁殖する
湿気が高い空間は、雑菌にとっては絶好の繁殖場所です。
そして、足裏は多くの方が「洗いづらい」「角質の手入れまでするのは大変」と感じる箇所のため、そこに残ってしまっている古い角質が湿気と結びつき、雑菌が急激に繁殖してしまいます。
この時に発生するのが、いわゆるアンモニア臭です。
また、靴内は常にぴったり足にフィットしているため、湿気が溜まるだけでなく温度も雑菌にとっての適温が保たれることになります。
このような状態では雑菌だけでなくカビ菌も繁殖しやすくなってしまうので、この状態を放置すればするほど靴の中が臭くなってしまうのです。
3.洗わないまま靴箱にしまうと靴箱内でも雑菌・カビが繁殖する
ここまでの内容であれば靴が1足臭くなるだけで済むのですが、たとえ1人暮らしでも靴が1足しかないことは少ないのではないでしょうか。
とくに子ども含む家族で生活している場合は、靴箱がいっぱいになるほど靴がある状態も考えられます。そんな状態で靴を毎回洗うのは大変なので、何度か履いた靴でもそのまま靴箱に閉まってしまうのは自然だと思います。
しかし、靴箱も実は靴と同じように湿気が溜まりやすい(扉があけられる回数が極端に少なく、換気が行き届かない)ため、雑菌が繁殖している状態の靴を複数しまいこんでいると、靴箱の中自体にもカビが根を張ってしまい、さらなる悪臭の原因になってしまいます。
靴のニオイに効果がある消臭スプレーの選び方

ここまでは靴のニオイの発生原因について解説しました。
これにより、靴の中の悪臭に対する解像度が上がったのではないでしょうか。
次は靴の中に発生した悪臭に効果がある消臭スプレーの選び方を解説します。
成分で選ぶ|銀イオン・植物由来など
前項で、靴のニオイの原因は雑菌の繁殖がメインであることが分かりました。
つまり靴の消臭に最も大切なのは「除菌」そして「抗菌」です。
そこでおすすめなのが、銀イオン(Ag+)成分が配合されている消臭スプレーです。銀イオンには強力な除菌作用があり、雑菌の繁殖を抑えることでニオイの根本原因にアプローチしてくれます。
他にも、もし小さい子どもさんがいて誤噴射が怖いという方は、植物由来の成分で作られた消臭スプレーなどを使用すると安心です。
「植物由来の成分では消臭効果が薄いのでは……?」と考える方もいるかもしれませんが、昨今は研究が進んでいるので植物由来でも十分に消臭効果が高い商品が開発されているので安心してください。
香りの有無で選ぶ|無香料と芳香タイプの使い分け
次は成分ではなく、香りの有無について解説します。
まず結論として、消臭が目的なのであれば無香料の消臭スプレーの方がおすすめです。
理由としては、芳香タイプの消臭スプレーの多くはニオイ菌を除菌するわけではなくマスキング(包み込む)方法で消臭するものがほとんどなので、悪臭の根本的な解決にはなりません。
また、使用した直後は良い香りで上書きができている状態かもしれませんが、時間が経つと香料と悪臭が混ざって何とも言えない悪臭がまた靴に染みついてしまう危険性もあります。
なので、消臭を目的とするのであれば基本的には無香料で消臭・除菌力に重きを置いた消臭スプレーを使い、どうしても香りを就けたい場合は消臭・除菌のあとに香りづけの目的で芳香タイプの消臭スプレーを使うようにしましょう。
スプレーの種類で選ぶ|ミスト・ジェット・泡タイプ
消臭スプレーには、ミスト状・ジェット噴射・泡タイプなど、さまざまな形状があります。
ミストタイプは広範囲に均一に広がるため、スニーカーやブーツなどの大きめの靴におすすめです。
ジェット噴射タイプはピンポイントで遠くまで噴射できるため、インソールやつま先の奥などのニオイを狙い撃ちするのに適しています。
そして泡タイプは靴の表面や中敷きの除菌洗浄も兼ねることができるので、靴を丸ごとリセットしたい、洗うのは面倒だからスプレーを使って簡易的な洗濯をしたいというときに便利です。
スプレーの選び方だけじゃない!靴のニオイを防ぐための6つの対策

ここまでは消臭スプレーの選び方について解説してきました。
しかし、消臭のゴールは「消臭スプレーでニオイを消すこと」ではありません。消臭スプレーはあくまで一時的な処理なので、本当に大切なのは「ニオイを発生させないように常に靴を清潔にしておく or ニオイの発生を抑制する」ことです。
そこで本項目では、消臭スプレーに頼る以外にもできる靴のニオイ対策を6つ紹介します。
ここで紹介することを習慣化して、強力な消臭スプレーに毎回頼らなくてもいいようにしていきましょう。
対策1:常に靴は乾かしておく
靴のニオイの原因のほとんどは湿気です。履き続けることはもちろん、長い間靴箱の中にしまっておくことでも靴は湿気の脅威に晒されます。
よって、靴は常に乾燥させておけるように処理をしておきましょう。
靴の乾かし方の例は以下の通りです。
- 新聞紙を丸めて靴の中に入れておく
- 靴用の乾燥材を購入して靴の中に入れておく
- 定期的にベランダに出して天日干しをおこなう
普段から定期的にこれらのことを試し、靴が湿気にやられてしまわないような対策をおこないましょう。
2:定期的な洗浄と除菌シートの併用
ここまでは一時的な処置を中心に解説してきましたが、最大のニオイ対策はもちろん「定期的に靴を洗うこと」です。
どうしても水洗いが難しい場合は、菌の温床になりやすいインソールだけを取り出して水洗い+天日干しをおこなうか、除菌シートでこまめに靴の内側と外側を拭き取るようにしましょう。
それだけでもある程度は靴の清潔が保たれます。
3:下駄箱の空気循環も重要
靴をどれだけ清潔にしていても、それをしまう靴箱が菌の温床になっていては意味がありません。
特に靴箱の中は湿気が溜まりやすく、カビ菌が発生しやすいとされているので、定期的に開放して空気を循環させるなどの処置が必要です。
また、よく靴箱に活性炭などをおいてニオイの対処をしている方がいますが、活性炭は空気中にあるニオイ成分を細孔(表面に空いている細かい穴)で吸着することで消臭をしているので、空気の流れがない箇所ではその効力が弱まってしまいます。
よって、置くだけの活性炭などを設置する場合は、一緒に小型の送風ファンなどを設置することをおすすめします。
常に稼働させる必要はありませんが、少なくとも1週間に1回は靴箱自体のケアもおこなうようにしましょう。
4:靴下の素材も見直そう
靴のニオイの原因は、靴だけでなく靴下にもあります。
たとえば綿100%の靴下は吸湿性には優れていますが、乾きにくいため菌が繁殖しやすく、ニオイが発生しやすい傾向があります。
吸汗速乾性に優れた化繊や抗菌防臭加工が施された靴下を選ぶようにすれば、足元の湿気を軽減し、ニオイの発生を未然に防ぐことができます。
靴下選びも“消臭対策の一環”として捉えることが、靴を清潔に保つカギです。
5:靴の種類ごとに使い分けが必要
消臭スプレーを使う際は、靴の素材や種類によって最適なものを選ぶようにしましょう。
たとえば革靴は水分を嫌うため、速乾性の高いスプレーを使うことが推奨されています。
スニーカーは通気性が比較的高いため、除菌・抗菌作用のあるスプレーを使うと効果的で、ブーツのように深さがある靴には、内部までミストが届くタイプのスプレーが適しています。
他にも靴に使用されている素材や形状によって適している消臭スプレーは変わってくるので、とくに素材には気を付けるようにし、誤って雑菌の繁殖を助けてしまう・靴を傷ませてしまうものは使用しないようにしましょう。
6:消臭スプレーの使い方を間違えない
消臭スプレーを使うときは、使い方を間違えて効果を半減させてしまわないように気を付けましょう。
せっかく効果の高い消臭スプレーを使っていても、スプレーをかけた後すぐに靴を履いてしまったり、十分に乾燥させないままで靴箱に収納してしまうとニオイが残りやすくなってしまいます。
靴を履く直前に無香の消臭スプレーをかける人が散見されますが、その使い方は間違いであり、帰宅後に消臭スプレーをかけておく方がスプレーの効果を十分に発揮させることができます。
靴のニオイの原因は「湿気」であるというイメージを常に頭に持っていれば消臭スプレーをかけるタイミングも間違えないはずなので、そのイメージを忘れないようにしましょう。
プロが選ぶ最強の消臭方法は「イオン脱臭機」と「オゾン発生器」

一般の方の多くは靴の消臭にスプレータイプや置き型の活性炭を使いますが、消臭のプロがおすすめするのは「イオン脱臭機」もしくは「オゾン発生器」です。
これらはイオンやオゾンが持つ高い酸化力を利用して、ニオイの原因を根元から消臭・除菌する対応の消臭機器であり、ホテルの客室や飲食店、医療施設でも活用されています。
消臭スプレーの多くはニオイの根本的解決には力不足であり、あくまで一時的にニオイに対処する程度の性能しかありません。
本項目ではそんな「イオン脱臭機」と「オゾン発生器」の中でも家庭用として使えるコンパクトなシリーズを紹介します。
※各機器については以下の記事で詳しく解説しています。
イオン脱臭機の記事
タバコのニオイ対策におすすめの脱臭機|選び方のコツまで徹底解説
オゾン発生器の記事
オゾン発生器のメリット・デメリットとは?使用上の注意点についても徹底的に解説
【イオン脱臭機】Levion mini+|家庭向けの定番モデル
Levion mini+は、家庭でも安全かつ手軽に使えるイオン脱臭機の定番モデルです。
プラズマクラスターやマイナスイオンといった空気清浄成分を放出し、空気中に漂うニオイ物質や菌を分解・除去してくれます。
玄関や下駄箱のようにニオイがこもりやすい空間に設置することで、靴から発生する不快なニオイを広範囲にわたって抑えることが可能です。
静音設計と省エネ設計も評価が高くメンテナンスも簡単なので、家庭で使う脱臭機としてはじめての1台としてもおすすめです。
製品名 | Levion mini+ |
特徴 | イオンを放出して空間のニオイや菌を分解する、イオン脱臭機の家庭用モデル。 |
おすすめポイント | 小型ながら最大110㎥の空間に対応有人環境でも常時使用可能で、玄関〜リビングの消臭に最適メンテナンス時期がランプでわかる安心設計 |
詳細 | サイトはこちら |
【オゾン発生器】ゲルリッツゼロ|ニオイの原因を直接消臭
イオン脱臭機よりも強力な消臭・除菌効果を求めるなら、オゾン発生器「ゲルリッツゼロ」がおすすめです。
オゾンには強い酸化力(塩素の約6倍)があり、アンモニアやカビ臭、皮脂由来の体臭などのニオイの原因物質を根本から分解してくれます。
ゲルリッツゼロにはオゾン回収機能やタイマー機能が付いているため、安全性も確保されています。
使用時は空間内を無人にする・使用後は換気をおこなうなどの細かいルールはありますが、それを守って使用すればかなり高い消臭・除菌効果を実感できるでしょう。
製品名 | ゲルリッツゼロ |
特徴 | 消臭力と除菌力に優れたオゾン発生器。小型でありながら消臭範囲が広く、靴だけでなく下駄箱〜玄関全体にまで効果を発揮する。 |
おすすめポイント | 強力な酸化分解力でニオイの元を徹底的に除去オゾン回収機能や自動停止タイマー付きで安全性◎家庭でも使いやすいコンパクトさ |
詳細 | サイトはこちら |
※オゾン発生器を検討する方は、必ずこちらの記事も読んで使い方の注意点を確認してください。
オゾン発生器のメリット・デメリットとは?使用上の注意点についても徹底的に解説
「靴 消臭スプレー」に関するよくある質問(FAQ)

靴の消臭スプレーに関する情報を調べていると、多くの方が同じような悩みや疑問を抱えていることがわかります。
本項目では、代表的な質問をQ&A形式でまとめて紹介します。
ここまでに解説した内容でも再度答えていくので、本記事のまとめとしてご覧ください。
Q1:無香タイプの方が効果はある?
靴の消臭スプレーとして考えるのであれば、無効タイプの方が効果は高いと言えます。
芳香タイプのスプレーはニオイの元を直接消臭・除菌するのではなく、ニオイ成分をマスキング(包み込む)する仕組みなので、使用してすぐはいい匂いになった気になりますが、時間が経つと悪臭とスプレーの匂いが混ざって何とも言えないニオイになります。
靴のニオイの原因は菌の繁殖なため、しっかり対処したいのであれば芳香タイプではなく無香タイプの消臭スプレーを選ぶようにしましょう。
※無効タイプで消臭をおこなったあと、香りづけとして芳香タイプのスプレーを使用するのは問題ありません。それでも無香スプレーでニオイが完全に除去されていない場合は香りが混ざる可能性はあるので注意してください。
Q2:スプレーだけで完全に消臭できますか?
もしも軽度なニオイや、まだ履き始めて日が経っていない靴の消臭であればスプレーだけでも効果があるかもしれません。
しかし、長年蓄積されたニオイや湿気によって繁殖したカビ臭などは、スプレーだけでは対応が難しい場合もあります。
そのような場合は、除湿剤と消臭スプレーの併用や、「イオン脱臭機」「オゾン発生器」を使用すれば、より確実な消臭が可能です。
Q3:オゾンって危険じゃないの?
オゾンはよく危険な物質と勘違いされがちですが、オゾン分子はO₃と表されるように酸素原子で構成されたものであり、自然界にも存在する気体です。
もしもオゾン濃度が高い場所に踏み入ってしまうと人体への影響が現れることもありますが、そうでもない限りはそこまで神経質になる必要はありません。
なので、もしオゾン発生器を消臭・除菌に使用する場合は、部屋の中が高濃度にならないように以下の点に気を付けて使用してください。
- 部屋の大きさに合ったオゾン発生量を設定する
- 必ずタイマー機能を使用し、不必要に長い時間オゾンを発生させない
- オゾン回収機能がついたオゾン発生器を選ぶ
- 使用後は必ず30~1時間の換気をおこなう
また、オゾン発生器を使用する際は必ず空間内が無人(ペット含む)の状態で使用してください。
その他、オゾンについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
オゾン発生器のメリット・デメリットとは?使用上の注意点についても徹底的に解説
Q4:消臭グッズのおすすめの組み合わせ方は?
最も効果的な組合せは「消臭スプレー+除湿剤+イオン脱臭機」の3点セットです。
スプレーでニオイの原因菌を除去し、除湿剤で靴内部の湿気をコントロール、さらにイオン脱臭機で下駄箱全体の空気を浄化すればニオイが再発するリスクを大幅に抑えられます。
強力なニオイが気になる場合は、イオン脱臭機の代わりにオゾン発生器を使用してもよいでしょう。
まとめ|あなたの靴に最適な“最強の消臭方法”を見つけよう

靴のニオイ対策は、スプレー1本で完結するような単純なものではありません。ニオイの原因となる汗・皮脂・雑菌・湿気に対して、事前の対策からしっかりとおこなう必要があります。
今回この記事で紹介した方法を試せば、まだ深刻ではないニオイであればイオン脱臭機やオゾン発生器を使わずとも、消臭スプレーや除湿剤だけで対処できるでしょう。
ただ、経年で積み重なった根深いニオイは消臭スプレーではどうにもなりません。一度「オゾン発生器」などでニオイをリセットし、その後で消臭スプレーを揃え、紹介した6つの対策を継続的におこなうことが有効になるでしょう。
少し面倒かもしれませんが、これらを徹底すれば今後靴のニオイで悩まされることはなくなります。この記事を読んだことをきっかけに、一度靴のニオイの問題を綺麗に洗い流しましょう。