脱臭装置について|吸着方式と洗浄方式 – 脱臭装置・脱臭機・臭い対策の業務用専門会社|共生エアテクノ

2026.02.10

脱臭装置について|吸着方式と洗浄方式

脱臭装置の分類を理解することが“方式選び”の第一歩になる

冬の冷え込みが深まり、窓を閉め切って過ごす時間が増える季節になると、家庭でも職場でも「空気の状態」を気にする場面が多くなります。しかし、調理のにおい、油煙、アンモニア臭、排気のにおい、機械油のにおいなど、現場によって臭気の正体は大きく異なり、その成分や強さも一定ではありません。においは“良い・悪い”といった単純な基準で語れず、温度・湿度・空気量・油分や粉じんの有無など、多くの条件が複雑に影響します。

そのため、ひと口に「脱臭装置」と言っても、単一の方式であらゆるにおいに対応できるわけではありません。それぞれの臭気条件に合わせた複数の方式が存在し、「どの方式が適切か」という選択が、脱臭対策の効果を大きく左右します。

脱臭装置は、大きく次の方式に分類されます。

  • 吸着方式(活性炭・ゼオライトなど)
  • 洗浄方式(水洗浄・薬液洗浄・消臭剤洗浄)
  • 燃焼方式(高温酸化・触媒燃焼)
  • 生物脱臭(微生物による分解)
  • 酸化方式(オゾン分解・光触媒など)

例えば、油煙の多い現場では、前処理として電気集塵機などを組み合わせるケースもあります。こうした分類はすべて「においをどう取り除くか」という観点に基づいて整理されたものであり、現場の状況に応じて適切に選択されます。

この中でも、食品工場・厨房・産業排気など、多くの現場で比較検討される中心が 吸着方式 と 洗浄方式 の二つです。扱いやすさや設置性に優れる吸着方式と、油分・粉じんに強い洗浄方式。この二つを理解することが、方式選びにおける最初の重要なステップとなります。

記事の後半では、これら二つの方式の仕組みやメリット・デメリット、使い分けの判断基準を整理しながら、現場に最適な方式を考えるための手がかりをわかりやすくまとめていきます。

吸着方式の基礎と特徴

吸着方式は、活性炭やゼオライトなどの吸着材に臭気成分を取り込み、空気中から除去する仕組みです。古くから利用されてきた代表的な方式であり、現在でも厨房排気や食品工場、化学工場、店舗のバックヤードなど、多様な現場で採用されています。共生エアテクノが提供する デオキーパー(DeoKeeper) は、

この吸着方式をコンパクトにまとめ、扱いやすさと安定性を両立した脱臭装置として広く導入されています。

吸着方式の性能は、使用する吸着材によって左右されます。代表的な吸着材は次のとおりです。

  • 活性炭(最も広く利用される吸着材)
    無数の微細孔を持ち、表面積が非常に広いことから、多種類の臭気成分に作用します。
  • ゼオライト(高温でも安定・成分選択性がある)
    鉱物由来の多孔質素材で、特定の成分を選択的に吸着する特性を持ち、高温排気などに適しています。
  • デオモイスト(その他ろ材)
    腐植質土壌由来の脱臭剤で、高温・多湿の臭気成分に対応するために使われます。活性炭にあるような賦活工程を必要とせず、CO2削減を考慮した脱臭ろ材となっています。

これらの吸着材は、状況に応じて組み合わせることで性能を最適化できるため、吸着方式は現場に合わせやすい柔軟性を持っています。

吸着方式のメリットは、構造がシンプルで導入しやすい点にあります。装置サイズが比較的コンパクトで、狭い工場や限られたスペースでも設置がしやすく、日常の運転管理も吸着材の交換が中心です。薬液や水の管理が不要なため、専門の設備担当者が常駐しない現場でも扱いやすい方式です。初期コストを抑えられる点も、小規模施設で選ばれる理由のひとつになっています。

一方で、吸着方式には注意すべき点もあります。
吸着材は時間の経過とともに寿命を迎え、飽和すると性能が低下するため、適切な交換サイクルの管理が欠かせません。また、油分や粉じんの多い排気では吸着材が目詰まりしやすく、交換頻度が早まることがあります。臭気が高濃度で複雑な場合には単独では十分な効果を出せないことがあり、前処理ユニットや他方式との併用を検討する必要が生じます。

それでも、吸着方式は省スペースで扱いやすく、適切に運用すれば安定した脱臭効果を発揮します。特に、臭気の種類や濃度が比較的一定で、小規模から中規模の工場などでは、非常に実用性の高い方式と言えます。

洗浄方式の基礎と特徴

洗浄方式は、空気中の臭気成分を水や薬液に接触させ、洗い落として除去する方式です。臭気成分を吸着材に取り込む吸着方式とは異なり、液体へ移動させたり化学反応により無害化させたりする点に特徴があります。食品加工、揚げ物工程、化学工場、大型厨房など、油分や粉じんが混じった複雑な排気が発生する現場では、洗浄方式が特に効果を発揮します。

共生エアテクノでは、排気条件に応じて

  • デオミストダクトスプレー
  • インジェクションスクラバー®
  • ハイブリッドスクラバー®

といった複数の方式を採用し、現場ごとに最適な処理を組み立てています。

洗浄方式の基本は、装置内で空気と水が接触することで臭気成分を液中へ移動させることです。塔内部には充填材や噴霧ノズルが設けられ、空気と水が効率よく接触するよう工夫されています。臭気成分が水に溶けるだけでなく、薬液を加えることで酸・アルカリ中和反応や酸化反応を利用した脱臭も可能になり、アンモニア臭や硫黄系臭といった強い臭気にも対応できます。

洗浄方式の大きな強みは、
油分・ミスト・粉じんを同時に処理できる という点です。吸着方式では油分や粉じんが吸着材を目詰まりさせる原因になりますが、洗浄方式は“水で落とす”という構造のため、こうした負荷に対して安定した性能を維持できます。揚げ物工程や高温ラインなど、排気条件が厳しい現場では特に有効です。

また、スクラバーは 大風量・長時間運転 にも向いており、工場ラインなどでは、吸着方式よりも性能低下が起こりにくいという利点があります。さらに デオドプロなどの消臭剤を組み合わせることで、単なる水洗浄では取りきれない臭気にも対応できます。

一方で、洗浄方式には運用上の注意点もあります。

  • 洗浄水の汚れ・濁りの管理
  • 薬液濃度のチェックや補充
  • ノズル詰まりや配管の保守

といった 運転管理の手間 が必要です。また、装置本体のほかに水槽やポンプ、排水設備を設ける必要があり、吸着方式と比べて設置スペースや初期導入コストが大きくなる傾向があります。

それでも、大風量、油分や粉じんの多い排気といった、吸着方式では対応が難しい現場において、洗浄方式は非常に強力な選択肢となります。現場条件に合わせて構造や薬剤を調整できるため、産業排気の分野では欠かせない方式です。

吸着方式と洗浄方式を比較する

吸着方式と洗浄方式は、どちらも広く利用されている脱臭方式ですが、その性質は大きく異なり、得意とする分野も違います。方式自体に優劣があるのではなく、現場条件と方式の相性によって最適解が決まります。ここでは、判断材料となる特徴を項目ごとに整理します。

脱臭性能の違い:特定成分に強い吸着方式 / 複合臭に強い洗浄方式

吸着方式は、活性炭やゼオライトといった吸着材が特定成分を効率よく取り込むため、油臭や有機臭など安定した臭気に対して高い効果を発揮します。

一方で洗浄方式は、水や薬液へ臭気成分を移動させたり、中和反応や酸化反応によって無害化するため、アンモニア・硫黄系などの強い臭気や、臭気の組成が変動する複合臭に適しています。

油分・粉じん・ミストへの耐性:吸着材は目詰まりしやすい / 洗浄方式は強い

吸着方式では、油分や粉じんが吸着材の孔をふさぎ、性能低下や交換頻度の増加を招くことがあります。

一方、洗浄方式は油分・粉じん・ミストを“洗い落とす”構造のため、こうした負荷に強く、揚げ物工程や高温ラインなど排気条件の厳しい現場でも安定した性能を維持できます。

運転管理の違い:交換中心の吸着方式 / 水と薬液管理が必要な洗浄方式

吸着方式は吸着材の交換が中心で管理項目が少なく、専門の設備担当者が不在でも扱いやすい方式です。

洗浄方式では、

  • 洗浄水の状態
  • 薬液の濃度
  • ノズル詰まり

など、日常的なチェックが求められます。設備管理を行える体制があるかどうかが方式選定のポイントになります。

設置スペースと導入条件:コンパクトな吸着方式 / 設備を要する洗浄方式

吸着方式は装置が比較的コンパクトで、スペースの制約が厳しい工場やバックヤードでも導入しやすい方式です。

洗浄方式はスクラバー本体に加え、水槽・ポンプ・排水設備などが必要となり、設置スペースに余裕があることが前提となります。排水経路の確保が必要な点も、吸着方式とは異なります。

コスト構造の違い:初期コストは吸着方式が有利 / 長期運用は条件次第

吸着方式は初期導入コストが抑えられますが、吸着材の交換費用が継続的に発生します。風量が大きい現場や臭気負荷が高い現場では交換頻度が上がることもあります。

洗浄方式は初期導入コストは高めですが、大風量や長時間運転でも脱臭性能が安定し、薬液管理次第で長期的には良好な運用ができます。どちらが有利かは、現場の条件に左右されます。

臭気変動への対応力:一定条件に強い吸着方式 / 変動に対応しやすい洗浄方式

吸着方式は、臭気組成が一定で変動が少ない現場で効果を発揮します。ただし、日によって臭気が大きく変化するような現場では性能低下が起こりやすくなります。

洗浄方式は水量や薬液による調整が可能なため、臭気濃度や成分が変動する現場でも比較的安定しやすいという特徴があります。

このように吸着方式と洗浄方式には明確な違いがあり、それぞれが得意とする環境があります。方式選定を成功させるためには、これらの特徴を理解したうえで、現場の臭気条件・設備環境・管理体制に照らし合わせて判断することが重要です。

どんな場面・状況で使い分けるべきか

吸着方式と洗浄方式は、どちらも優れた脱臭技術ですが、現場の条件によって適性が大きく変わります。臭気の種類だけでなく、排気量・油分や粉じんの量・運転時間・設置スペース・管理体制など、複数の要素を組み合わせて判断する必要があります。ここでは、実務でよく相談される状況に沿って、両方式の使い分けポイントを整理します。

吸着方式が適している場面

吸着方式は構造がシンプルで、スペースが限られた施設でも導入しやすい方式です。

・限られたスペースに設置したい場合

厨房のバックヤード、天井裏、狭い機械室など、設置スペースの制約が大きい現場では吸着方式が優位です。排水設備の確保が不要な点もメリットになります。

・臭気が比較的一定の現場

においの種類や強さが日によって大きく変動しない食品加工ラインや小規模厨房では、吸着方式が安定した性能を発揮します。

・運転管理の負担を抑えたい場合

薬液管理や水質管理の必要がなく、主なメンテナンスは吸着材交換のみです。設備担当者が常駐しない現場でも扱いやすい方式です。

洗浄方式が適している場面

洗浄方式は“洗い落とす”構造を持つため、吸着方式では対応しにくい複雑な排気条件に強みがあります。

・油分・粉じん・ミストが多い排気

揚げ物工程や食品加工ラインなど、油煙やミストが大量に含まれる排気では吸着材が短期間で飽和しやすく、吸着方式は非効率になります。洗浄方式は油分を物理的に除去できるため、こうした負荷の大きい現場に適しています。

・アンモニア・硫黄系など強い臭気

水溶性成分や化学的に反応しやすい臭気には、薬液洗浄や中和反応が有効です。単独の吸着方式では処理しきれない強臭にも対応できます。

・大風量・長時間運転する工場ライン

吸着方式では交換頻度が増える条件でも、洗浄方式は性能が安定しやすく、産業排気で広く採用されています。

現場条件別の判断基準

  • 油分や粉じんが多いか?
    → 多い場合は洗浄方式
  • 臭気組成は一定か?変動が大きいか?
    → 一定なら吸着方式
    → 変動が大きいなら洗浄方式
  • 設置スペース・排水設備は確保できるか?
    → 限られる場合は吸着方式
  • 管理体制に余裕があるか?
    → 日常管理ができるなら洗浄方式も選択肢
    → 手間をかけられない場合は吸着方式
  • 初期コストとランニングコストのバランス
    → 小規模・短期運用では吸着方式
    → 大風量・長時間運用では洗浄方式

複合方式(多段処理)が最適となるケース

前段で洗浄方式により油分や粉じんを除去し、
後段で吸着方式により臭気を仕上げるなど、
単独方式ではなく “組み合わせ” が最適解となる現場 もあります。臭気の種類が多い、変動が大きい、油分負荷が高いといった条件では、
複合方式により性能の安定性が高まり、長期的な運用に適したシステムとなります。

共生エアテクノの現場事例で見る、使い分けの最適解

吸着方式と洗浄方式の特徴を理解しても、実際の現場では「どちらを選ぶべきか」が判断しにくい場合があります。ここでは、共生エアテクノが携わった実務に基づき、両方式がどのような場面で最適解となったのかを事例として紹介します。実際の導入状況を知ることで、読者自身の現場にも置き換えやすくなるはずです。

吸着方式:デオキーパーが最適解となった工場排気の事例

ある工場では、製造に伴う油臭が外部へ漏れ、近隣から相談が寄せられるようになっていました。工場はスペースが狭く、排水設備も十分に確保できない状況でした。また、設備専任者が常駐しているわけではなく、日々の運転管理に手間をかけられないという課題もありました。

臭気対策コンサルテーションの結果、排気の臭気成分は比較的単純な油臭で、濃度変動も大きくないことが判明しました。こうした条件から、コンパクトで扱いやすい 吸着方式(デオキーパー) が適切と判断されました。

導入後は、

  • におい漏れが大幅に改善
  • 交換作業が容易で管理負担が少ない
  • 排水設備を新設する必要がなく、短期間で施工が完了

といった効果が得られ、無理のない運用で安定した性能を維持できています。

洗浄方式:スクラバーで改善した食品加工・工場排気の事例

別の事例では、食品加工工場の揚げ物ラインから発生する排気が問題となっていました。排気には油煙・粉じん・原料臭が混在し、温度も高く、長時間連続運転が必要という厳しい条件が重なっていました。

調査の結果、油分量が多く、吸着方式を採用した場合は吸着材の早期飽和が予想され、交換頻度が極端に増えてしまう懸念がありました。さらに臭気成分が複雑で強度も高いため、吸着方式単独では性能を維持することが難しいという評価になりました。

そこで、ハイブリッドスクラバーを中心とした洗浄方式 を提案・導入しました。結果として、

  • 油分・粉じんを水洗浄で効率よく除去
  • 強い臭気にも安定した脱臭性能を維持
  • 長時間運転でも性能の落ち込みが少ない

という効果が得られ、吸着方式では対応が難しい排気条件に対して、洗浄方式が最適であることが実証されました。

方式選定は“現場の状態を正確に知ること”から始まる

共生エアテクノが方式選定で最も重視しているのは、現場の臭気調査を丁寧に行うことです。

  • 臭気の強さ
  • 成分
  • 風量
  • 温湿度
  • 油分・粉じんの量
  • 日による変動

などが正確に分からなければ、方式の適否は判断できません。

吸着方式が適した現場もあれば、洗浄方式が最適となる現場もあります。また複合臭や変動の大きい排気では、前段に洗浄方式、後段に吸着方式を組み合わせる 多段処理 が最も合理的な選択になることもあります。

方式ありきで考えるのではなく、現場の条件に最も無理のない方式を選ぶことが、脱臭対策を成功に導く鍵です。調査と比較検討を丁寧に行うことで、設備の効果を最大限に引き出すことができます。

まとめ:大切なのは「方式の優劣」ではなく「現場に合う選択」

吸着方式と洗浄方式について、それぞれの特徴やメリット・デメリット、使い分けの基準、そして実際の導入事例を見てきました。どちらかが常に優れているわけではなく、現場の条件と方式の相性が最も重要であるという点が改めて確認できたのではないでしょうか。

吸着方式は、省スペースで扱いやすく、臭気の種類や濃度が比較的一定の現場に適しています。交換中心のシンプルな運用が可能で、小規模から中規模の厨房や工場でも導入しやすい方式です。一方、臭気の変動が大きい、油分や粉じんが多い、強い臭気が発生するといった条件では、吸着方式は無理が生じることがあります。

洗浄方式は、油分・粉じんの処理が得意で、複合臭や強い臭気にも対応できる点が特徴です。大風量や長時間運転の現場でも性能が安定しやすく、産業排気で多く採用されています。ただし、日常の管理項目が増えることや設置スペースの確保が必要な点は、導入に際して考慮すべき要素となります。

最適な方式を選ぶためには、臭気の強さや成分、排気量、温湿度、油分や粉じんの量、設置環境、管理体制など、現場の条件を正確に把握することが欠かせません。方式を決めてから現場に当てはめるのではなく、現場の状態を丁寧に調査し、それに最も合う方式を選定することが脱臭対策を成功に導く鍵となります。

また、単独方式では対応しきれない場合には、吸着方式と洗浄方式を組み合わせた 多段処理 という選択肢もあります。前段で油分や粉じんを除去し、後段で臭気を仕上げるといった構成は、複雑な臭気環境でも高い効果を発揮します。現場の条件に応じて柔軟に組み立てられることが、脱臭設備の大きな強みでもあります。

どの方式を採用するかは、設備の導入効果に直結します。だからこそ、方式の特性を理解し、現場の状況と照らし合わせながら、無理のない選択を行うことが重要です。吸着方式も洗浄方式も、適切な場面で使用すれば確かな効果を発揮します。現場に寄り添った方式選定こそが、脱臭対策の本当の成功につながります。

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