活性炭とは?|消臭効果のメカニズムや活用方法まで徹底解説 – 脱臭装置・脱臭機・臭い対策の業務用専門会社|共生エアテクノ

2025.04.02

活性炭とは?|消臭効果のメカニズムや活用方法まで徹底解説

「部屋のニオイが気になる」
「ペットの臭いがとれない」

上記のような悩みを持つ方におすすめなのが「活性炭(かっせいたん)」です。

活性炭とは「木材やヤシ殻などの自然素材を高温で焼き上げ、無数の小さな穴(細孔)を持たせた炭」のことであり、この細かい穴が空気中の臭い成分などを吸着して除去してくれるという仕組みで消臭をおこなってくれます。

昨今はその安全性の高さから、家庭だけでなく飲食店や病院などの業務用途でも活性炭は広く使われるようになりました。

しかし一方で、活性炭についての詳細については何も知らないという方が多いことも事実です。

そこで本記事では、活性炭の基本的な知識から消臭の仕組み、使い方や選び方のポイントまでわかりやすく紹介します。

悪臭に悩まされている方は、ぜひ最後までご覧ください。

■ 目次

活性炭に関する基本知識と消臭の仕組みについて

まずは活性炭について、基本的な知識と消臭の仕組みを確認していきましょう。

活性炭と「炭」の違いとは?

活性炭という言葉を聞いたとき「普通の炭と何が違うの?」と思った方も多いのではないでしょうか。

実は活性炭と一般的な炭(木炭や備長炭など)とでは「表面積」と「細孔(さいこう)」と呼ばれる無数の微細な穴の量が決定的に違います。

活性炭は前述の通り、木材やヤシ殻などの有機物を高温で処理し、内部にたくさんの細孔を意図的につくり出した炭です。この細孔が多ければ多いほど空気中のニオイ成分、有害物質をぐんぐん吸い込む力が強くなります。

つまり活性炭は通常の炭に比べて表面積が大きく細孔の数も圧倒的に多いため、消臭効果が段違いに違います。

実際、活性炭1グラムの表面積はテニスコート約1面分(500〜1500㎡)にも相当すると言われているので、そこから生み出される圧倒的な吸着力こそが炭とは違う点なのです。

活性炭の種類(粉末・粒状・繊維状)

先ほどは活性炭と炭の違いを説明しましたが、そんな活性炭にも用途や目的に応じてさまざまな種類があります。

活性炭は、主に以下の3つの形状に分類されます。

【粉末状活性炭】
非常に細かい粉末状の活性炭で、浄水場や工場の水処理などに使用。反応が早く一度に大量の吸着が可能。

【粒状活性炭】
家庭用の脱臭剤や水槽の浄化フィルター、工場の排気ガス処理などに利用。再利用しやすく、持続性も高い。

繊維状活性炭】
不織布やフィルターに加工され、エアコンや空気清浄機、マスクなどに使用。軽量で通気性が良い。

最終的に商品を購入する皆さんにとっては関係がない知識かもしれませんが、ひと口に活性炭と言っても種類があり、それぞれに得意なことがあるということを把握しておきましょう。

活性炭の消臭・吸着のメカニズム

続いては、活性炭が消臭をおこなうメカニズムを解説します。

吸着とは?活性炭の細孔が働くメカニズム

活性炭が消臭に効くと言われる理由の中心にあるのが「吸着(きゅうちゃく)」という働きです。

この吸着とは、活性炭の表面や細孔に空気中の成分が引き寄せられて付着する現象のことを指します。

活性炭の内部には約数十億個にも及ぶ細孔があいており、これらがニオイの原因物質や有害成分を逃さずキャッチすることで消臭を可能にしているのです。

そしてこの吸着には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 物理的吸着:分子が単に活性炭の表面にくっつく現象。アンモニアや湿気、ホコリなどをキャッチする。
  • 化学的吸着:活性炭の表面が化学反応を起こして物質をとらえる働き。ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)などに対応する。

このダブルの吸着作用により、活性炭はニオイの原因そのものを取り除いているのです。

活性炭が吸着できる成分例

活性炭が吸着できる成分は多岐にわたります。本項目ではその中でも代表的な成分を紹介します。

吸着対象主な発生源効果例
アンモニアトイレ、ペット臭強い刺激臭を軽減
硫化水素生ごみ、排水腐敗臭を除去
ホルムアルデヒド新築住宅、家具シックハウス対策
VOC(揮発性有機化合物)塗料、接着剤空気の有害物質を除去
湿気(水分)クローゼット、押し入れ除湿とカビ予防
カビ胞子・細菌空気中全般除菌効果のサポート

活性炭はこれらの家庭内で発生する有害物質などを吸着してくれます。

また、特定の処理を施した活性炭(薬品処理や触媒付与された製品)であれば、より高精度な除去や分解もおこなえるため、家庭内だけでなく医療・食品・工場などの専門的な分野でも活性炭が活用されています。

活性炭のメリットとデメリット

ここまでは活性炭の基本的な構造について解説してきましたが、ここからは活性炭のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

活性炭の主なメリット

活性炭のメリットは以下の通りです。

1. 高い吸着力でニオイを元から除去できる

活性炭は細孔の働きにより、空気中や水中に存在するニオイ・有害物質・湿気などをしっかり吸着して取り除くので、臭いを香りでごまかすのではなく原因物質そのものを捕らえて除去してくれます。

2. 無臭・無害で安心して使える

活性炭は自然由来の素材(ヤシ殻・木材・石炭など)から作られており、化学薬品を使わずに効果を発揮します。

そのため、ペットや赤ちゃんのいる家庭でも安心して使用できます。

3. さまざまな形状・用途に対応できる

活性炭は粉末・粒状・繊維状など形状が多彩であることから、家庭用から工業用までニーズに合わせて活用することが可能です。

4. 再利用できる製品もあり経済的

一部の活性炭製品は、加熱や天日干しによって再利用が可能です。適切な使い方をすれば何度も使えるため経済的です。

活性炭のデメリット

ここまでは活性炭のメリットにフォーカスして解説をおこなってきましたが、ここからは活性炭のデメリットについても解説します。

1. 吸着力には限界がある

活性炭には当然、吸着できる量に限界があります。

空気中のニオイ成分や湿気を吸い続けると、やがて細孔が飽和状態となりそれ以上の吸着ができなくなります。

そのため、効果が薄れてきたら適切なタイミングで交換をおこなう必要があります。

2. 高湿度下では効果が低下する

活性炭は湿気を吸収しやすいため、ジメジメした場所では空気中の水分ばかり吸着してしまい、本来の消臭効果が発揮されにくくなります。

脱臭目的で使用する場合は、できるだけ乾燥した場所に設置することをおすすめします。

3. 一部のニオイには効果が薄い場合もある

活性炭は極端に分子の大きい化学薬品の臭気や、油脂系の臭いは吸着しにくい傾向にあります。

そうした特殊な臭気には、専用の処理を施した活性炭や他のフィルターとの併用をおこなう必要があります。

活性炭の使い方・活用例ガイド

活性炭は、その使いやすさと高い効果からさまざまな場所で活用されています。

本項目では「どんな場所でどのように活性炭を使えばよいか」について、具体的な使い方やすでに活用されている例を紹介します。

冷蔵庫・靴箱・トイレでの消臭

もっとも手軽で多くの方におすすめできる使い方が、家庭内での活性炭による消臭です。特に効果を実感しやすいのは以下の場所です。

冷蔵庫の脱臭

食品のニオイ移りを防ぐために冷蔵庫内に活性炭を設置すると、庫内の空気が清潔に保たれます。

市販の冷蔵庫用脱臭剤には、ほとんどと言っていいほど活性炭が使用されています。

靴箱や玄関

湿気やこもったニオイ、靴の臭いにも活性炭は高い効果を発揮します。

靴の中に入れる専用タイプや、靴箱の隅に置く小袋型の商品も販売されています。

トイレ・サニタリー空間

アンモニア臭やカビ臭など、トイレ特有の不快なニオイにも活性炭は有効です。

棚の上などに置くだけで空間のニオイが和らぎ、消臭スプレーを使わずに済む場合もあります。

活性炭フィルターやマスクとしての活用

活性炭は空気中の微粒子やウイルス、化学物質の除去にも使われているので、活性炭がフィルターに使われた製品を使用することもおすすめです。

空気清浄機・エアコンのフィルター

活性炭入りのフィルターは、ホコリや花粉に加えてニオイや有害ガスまでも吸着してくれます。

なので、埃が舞いやすい室内やタバコを吸う方がいる家庭には活性炭フィルターが使われた空気清浄機やエアコンを使用すると良いでしょう。

活性炭入りマスク

活性炭を組み込んだマスクは、一般的な不織布マスクよりも高い防臭効果が期待できます。

活性炭入りのマスクは家庭用や花粉症対策だけでなく、工場勤務や医療現場などでも利用されています。

飲食店・工場での業務用活性炭の導入

活性炭は家庭内だけでなく、業務用製品としても使用されることが多くあります。

とくに飲食業や工場など、ニオイや空気の管理が重要な現場では活用しやすいと言えるでしょう。

飲食店での脱臭

厨房の排気ダクトや天井換気口に活性炭フィルターを設置することで、調理中に発生する煙臭などを吸着します。

これにより、店内や近隣への臭気の広がりを抑えることができます。

工場や研究施設での使用

揮発性有機化合物(VOC)や有毒ガスを含む排気を処理するために、業務用の大型活性炭装置が使われています。

また、水処理施設では排水中の色や臭い、溶け込んだ有機物を除去する用途にも活用されています。

※業務用活性炭の選定ポイント

家庭用と違い、業務用として使われる活性炭は「処理能力」「交換頻度」「フィルターの種類」などを事前にしっかり検討することが重要です。

最適な機器の選定が難しいという方は、創業以来「消臭・脱臭」に一意専心している「クサイに挑むプロフェッショナル集団」である共生エアテクノまでお気軽にお問い合わせください。

活性炭製品の選び方|家庭用から業務用まで

「活性炭が消臭に効果的なのはわかったけれど、どれを選べばいいか分からない」

そんな疑問を持つ方のために、本項目では活性炭製品の選び方についてわかりやすく解説します。

家庭で使用する活性炭製品の選び方

まずは家庭で使用するタイプの活性炭製品の選び方を解説します。

家庭用製品のほとんどは既に用途が固定されているものが多いですが、それでも「ここまで解説してきた活性炭の知識」を使えば、より効果的な活性炭製品を選べるようになるでしょう。

ここでは「使用用途」別のおすすめ製品タイプを紹介します。

用途推奨製品タイプ特徴
冷蔵庫の脱臭小袋タイプ、置き型食品に触れない設計、省スペース
靴箱・玄関吊り下げ型、スティック型コンパクトで手軽
トイレ・部屋置き型、瓶入りタイプ広範囲をカバー
車内エアコン用フィルター付き製品タバコやペット臭にも対応
空気清浄機フィルター交換式高性能、長期間使用可能
水処理粒状タイプ、粉末タイプ浄水器やアクアリウムで使用されることが多い

基本的には「〇〇用」などの用途が商品に書かれているので迷うことはないかもしれませんが、もし用途が書かれていないものは上記を参考にして選んでみてください。

また、除湿効果も欲しい場合は吸湿性に優れた竹炭やヤシ殻炭を選びましょう。

消臭と除湿の“ダブル機能”を備えた製品も市販されています。

業務用の活性炭製品の選び方

ここまでは基本的に家庭用の活性炭製品を紹介してきましたが、活性炭製品は業務用としても活用されています。

業務用の活性炭製品(主に活性炭フィルター)選びでは、その効果だけでなく以下のような観点で選定する必要があります。

・効果の持続時間や期間
・1台で消臭できる効果範囲
・交換のしやすさ
・再生の可否

これらの観点は主に製品の入れ替え頻度やフィルターの交換を外注する費用など、コスト面を抑えるために必要なものです。

経営者の方や飲食店の店長などは、製品を導入する際にどうしてもコストパフォーマンスを考えなければいけないため、独自で導入する製品を選ぶことには限界があるでしょう。

弊社であれば、コストパフォーマンスを考えた上で御社に最適な脱臭・除菌効果を発揮する機器の選定や臭気の発生原因の特定、脱臭に関する工事まであらゆることに対応します。

相談だけで費用をいただくことは致しませんので、まずはお気軽にこちらの問い合わせフォームからご連絡ください。

※事前に活性炭フィルターを活用した機器を確認したい方は、こちらの脱臭装置一覧から実際の製品を確認してみてください。

気になる製品がありましたら、そちらも問い合わせ時にご記入いただけますと幸いです。

活性炭の効果を最大化するための活用テクニック

活性炭製品はただ設置するだけでも十分な効果を発揮してくれますが、せっかく取り入れるならその効果を最大限に引き出したいですよね。

本項目では、活性炭の特性を踏まえた「置き場所のコツ」や「再利用・交換のタイミング」などの実践的なテクニックを紹介します。

設置のコツと注意点

活性炭の吸着効果を十分に発揮させるためには「どこに置くか」がとても重要です。

効果的な消臭のコツは、空気の流れがある場所に設置することです。

【効果的な設置場所の例】

  • 冷蔵庫の通気口付近(風が循環している)
  • 靴箱やクローゼットの扉の近く(開閉時に空気が動く)
  • トイレや部屋の換気扇の周囲(空気が通る)
  • エアコンの吸気・吹き出し口

反対に密閉されすぎた場所や空気の動きがない場所に置いてしまうと、ニオイ分子や湿気が活性炭まで届かないので効果が発揮されにくくなります。

また、複数の活性炭製品を使う場合は空間にバランス良く設置することが重要です

たとえばリビングなら1か所に設置するだけでなく、部屋の対角線上に2か所置くことでムラなく空間全体に活性炭の効果を広げることができます。

活性炭の再利用方法と交換目安

前述の通り、活性炭製品の中には再利用できるタイプのものも存在します。

再利用の方法も製品に記載されていることがほとんどなので、パッケージや説明書は捨ててしまう前に必ず再利用が可能かとその方法を確認しておきましょう。

本項目では、主な再利用の方法を例として紹介します。

【再利用するための方法(例)】

天日干し(数時間〜半日)湿気を吸った活性炭は天日干しすることで乾燥・再生が可能
フライパンやトースターで軽く加熱
(※耐熱性がある製品のみ)
加熱により吸着物質を蒸発・分解させる方法
焦げや火災の危険があるため、説明書に従うこと

また、活性炭製品の交換(再利用)目安は以下の通りです。

【交換の目安】

脱臭剤(小袋タイプ)約1〜3ヶ月
フィルター型(空気清浄機等)3〜6ヶ月
浄水フィルター使用量や水質により異なる(製品ごとの目安に従う)

なお、活性炭は見た目では効果の低下がわかりにくいため、あらかじめカレンダーで交換時期のアラートを設定しておくのもおすすめです。

こうした工夫を取り入れることで、活性炭の持つ吸着力を復活させたり、効果を最大限に発揮させることが可能になります。

活性炭に関してよくある質問(FAQ)

ここまで活性炭について基本から応用まであらゆる内容を解説してきましたが、はじめて活性炭を生活や業務に取り入れる方にとっては、まだまだ気になることがあるかもしれません。

本項目では、実際によく寄せられる質問をQ&A形式でわかりやすく紹介します。

Q1:活性炭の消臭効果はどれくらい持続しますか?

使用する環境や製品の種類によって異なりますが、一般的な目安は1〜3か月程度です。

前の項目でフィルター型は3~6か月と記載していますが、基本的には3か月を目途に交換、もしくは再利用のための処置をおこなうことをおすすめします。

Q2:使用済みの活性炭はどのように処分すればよいですか?

多くの家庭用活性炭製品は、「可燃ごみ」として処分できるようになっています。

ただし製品によっては耐火性素材や樹脂加工が施されているものもあるため、各自治体のごみ分別ルールに従って処分してください。

また、使用済みの活性炭は土壌改良材や脱湿剤として再利用できる場合もあります。観葉植物の鉢底に敷いたり、靴の中に入れて除湿剤代わりにするなども検討してみましょう。

Q3:活性炭と他の消臭剤との違いは何ですか?

活性炭は、芳香剤やスプレータイプの消臭剤とは「ニオイの対処方法」がまったく異なります。

芳香剤は香りでニオイをごまかすタイプ、スプレータイプは化学反応やアルコール成分で中和・分解するタイプです。

それに対して活性炭はニオイの原因物質を「吸着」して除去するのが最大の特徴です。

そのため、元のニオイに戻ったり混ざったりすることがなく、空間全体を自然にリフレッシュしてくれます。

まとめ

本記事では活性炭に関する基礎知識から消臭の仕組み、使い方や選び方、活用のコツまでを幅広く紹介しました。

ニオイの不快感は、毎日の暮らしにじわじわとストレスを与えてくる見えない敵です。

活性炭を利用すればそんな不快感を簡単に、そして安全に除去することができます。

この記事で手に入れた活性炭の知識を使って、自身の生活空間の消臭に取り組んでみましょう。

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