2025.04.06
オゾンの匂いは危険?安全な使い方やオゾンが持つ高い消臭・除菌効果まで徹底解説
■ 目次
オゾンの匂いは人体に有害?

「除菌や消臭に効果がある」として、ホテルや飲食店、医療現場などではオゾン発生器が重宝されています。そんな人気の一方、利用者からは「オゾンの匂いがツンとするときがある」「使うと人体に影響がありそう」などの声も発せられています。
確かに一部の事実として「オゾンは高濃度だと人体に影響を及ぼす」ことがありますが、基本的には正しい知識を身につけて活用していれば健康被害はありません。
しかし、それを知らない人はオゾンの匂いに敏感になっても仕方がないかもしれません。
そこで本記事では、使用者の不安を取り除くためにオゾンの基礎知識や安全な活用法を解説しながら、オゾンが持つ高い消臭・除菌効果についても詳しく解説していきます。
そもそもオゾンとは何なのか

まず多くの方が知りたいのは「そもそもオゾンとは何なのか」ではないでしょうか。
名前だけ聞くと科学的な物質のように聞こえますが、実はオゾンは自然界にも存在する身近なものなのです。
本項目では、オゾンの基礎知識について詳しく解説していきます。
オゾンは自然界にも存在する気体
前述の通り、オゾンは自然界にも存在している気体です。
オゾンを化学式に表すとO₃であり、酸素の化学式にもう1つ酸素原子が結びついたものだと言えば、安全なものかもしれないと感じる方が多いのではないでしょうか。
オゾンは太陽からの紫外線照射や落雷によって自然界でも作られることが多く、酸素濃度が高い森林や滝の近く、標高の高い場所で発生しやすいとされています。
爽やかな空気の中で少しだけピリッとしたり塩素のような香りを感じた経験がある方は、その匂いこそがオゾンが持っている独特な匂いなのです。
オゾンは高い消臭・除菌効果を持っている
先ほどオゾンは化学式に表すとO₃だと説明しましたが、実はオゾンは不安定な気体であり「他の元素とむすびついて酸化し、早く酸素に戻ろうとする」性質があります。
そしてその酸化にはウイルスの膜を破壊したり、悪臭の元と結びついて分解するという効果があります。
よって、他の気体よりも酸素に戻ろうとする傾向が強いオゾンには高い消臭・除菌効果があるとされているのです。
オゾンの匂いは危険?
よくオゾンの匂いはプールの匂いに似ていると表現されることがあり、多くの人はそこから塩素を想像し「危険だ!」と感じることが多いようです。
しかし、その考えでいけば塩素臭がするプールに入ることや、オゾン臭がする森林や滝にいくことも危険な行為だということになってしまいます。
結論、オゾンはその匂いを感知した程度で健康被害が発生することはありません。
とはいえ、オゾンの匂いをはっきりと感じる密閉空間に長時間いると、様々な症状が引き起こされる危険性があります。
つまり、オゾンが人体に影響を及ぼすのは「空間のオゾン濃度」と関係があるということです。
次の項目では、実際にオゾンが人体に影響を与える濃度について解説します。
オゾン濃度は0.1ppmで注意が必要
オゾンは、空間のオゾン濃度が0.1ppm以上になると人体に影響があると言われています。
高濃度のオゾンが長時間体内に入ると、その強い酸化力が呼吸器や粘膜に刺激を与えてしまうのです。
具体的には、オゾンの濃度と健康への影響は以下のように分類されています。
- 0.01~0.02ppm:匂いを感じる程度。健康影響は基本的にない
- 0.1ppm:鼻や喉に刺激を感じるレベル。喉がイガイガし始めるなど
- 0.2ppm以上:視力低下や咳、頭痛などの症状が現れる可能性がある
- 1.0ppm以上:重度の呼吸器障害や意識障害を発生させるリスクあり
ここではあえて人体にはっきりと影響を及ぼすレベルの濃度まで記載しましたが、一般的なオゾン発生器を適正に使用している限り、空間内がこれほど高い濃度になることはまずありません。
万が一オゾン濃度が高くなってしまった場合でも、オゾンは高濃度になるほど強い匂いを発生させるので「ここはオゾン濃度が高い可能性がある」と瞬時に気付くことができます。
つまり、一部の事実だけを切り抜けば「人体に影響を及ぼす危険なもの」ですが、正しく理解すれば「高い消臭・除菌効果を得られて安全に活用できるもの」だと言えるのです。
オゾンで消臭できる・消臭しづらいニオイを徹底解説

ここまではオゾンとはどういう気体なのかとオゾンが持つ危険性について、そしてオゾンの高い消臭・除菌効果について解説してきました。
ここからは具体的に、オゾンがどういった臭いを得意・苦手としているのかを解説していきます。
オゾンが得意とする臭気
オゾンは人が発する臭いや動物の臭いなど、自然由来の臭いに対して高い消臭効果を発揮します。
具体例は以下の通りです。
- タバコのヤニ臭
- トイレのアンモニア臭(おしっこの臭い)
- 生ゴミやカビのような腐敗臭
- ペットの体臭や排泄物の臭い
- 加齢臭・体臭・汗の臭いなど
これらの生活の中で発生しやすい自然由来の臭いであれば、オゾンが臭いの原因である成分を酸化で根本から分解してくれるので高い消臭効果を感じることができます。
また、ペット臭やタバコ臭はその瞬間だけでなく、部屋の壁紙やカーテン、エアコン内部にまで臭いが染みついていることもありますよね。
オゾンはそれらの蓄積された臭いに対して壁紙やカーテンの中にまで浸透してニオイ成分を分解してくれるので、しつこい悪臭の原因までしっかりと消臭してくれます。
なので、長年の生活で臭いが壁紙にまで移ってしまった家庭にこそ、オゾンによる消臭は効果を発揮すると言えるのです。
オゾンが苦手とする臭気
続いて、オゾンが苦手とする臭気についても解説します。
オゾンは自然由来の臭いには高い効果を発揮すると説明しましたが、反対に人工的に作られた香料や薬品のニオイの消臭には向いていません。
人工的なニオイは物質として非常に安定しているため、オゾンとの反応が起きにくいことがその原因だとされています。
人工的なニオイの具体例は以下の通りです。
- 香水や柔軟剤などの香料
- ペンキ・シンナーなどの溶剤系の臭い
- ガソリン・接着剤のような揮発性有機化合物(VOC)
これらのニオイはオゾンでは消臭することが難しいので、活性炭を活用するなどの別の対策をおこなう必要があります。
オゾンと活性炭・イオンの消臭効果を徹底比較

消臭効果が高いものと聞くと、一般的にはオゾンより「活性炭」や「プラズマイオン」などを想像する方が多いのではないでしょうか。
そのような方からすると「ある程度は安全に使えるってわかったけど、わざわざ危険性もあるオゾンを使って消臭・除菌をしようとは思わない」という意見も出てくるかと思います。
そこで本項目では「オゾン発生器と活性炭」「オゾン発生器とイオン脱臭機」の特徴を比較し、どのような場面ではオゾンでの脱臭の方がよいのかを明らかにしていきます。
オゾン発生器と活性炭の特徴を比較
最初は最も手軽に手に入る消臭ツールである「活性炭」とオゾンを比較していきましょう。
まず、オゾンと活性炭は消臭のメカニズムが全く違います。
オゾンは前述の通り酸化によってニオイの元を根本から分解するという特徴がありますが、活性炭はニオイをその無数に空いた穴で吸着して消臭するという特徴があります。
この特徴から、トイレで発生する一時的な臭気などに関しては活性炭が高い効果を発揮し、反対に壁紙やカーテンに染みついた経年的な生活臭(タバコやペットの臭い・カビ臭)に関してはオゾンの方が高い効果を発揮するのです。
上記で紹介した以外の特徴も含めて表にまとめると、以下の通りになります。
特徴・効果 | オゾン | 活性炭 |
消臭の仕組み | 酸化による分解 | 細孔による吸着 |
得意な臭い | タバコ臭・ペット臭・カビ・生ゴミなど生活臭 | アンモニア・湿気・軽度の生活臭 |
苦手な臭い | 香水・塗料・接着剤など化学臭 | 染みついた臭い・強烈な空間全体の臭い |
除菌効果 | 非常に高い(ウイルス・菌の除去が可能) | なし(菌・ウイルスへの作用なし) |
安全性 | 高濃度は注意が必要/無人空間での使用が基本 | 非常に高い/常時使用可 |
適した場所 | 空室、ホテル、飲食店、医療施設 | 冷蔵庫、靴箱、トイレ、家庭のリビング |
メンテナンス | 換気や使用時間の管理が必要 | 定期的な交換が必要 |
即効性 | 高い(短時間で強い効果) | 低め(継続的に使用して効果を発揮) |
活性炭は安価で手に入りやすく安全性も高いことも特徴として挙げられますが、その分消臭効果の範囲が限定的であり、除菌などの消臭以外の効果もないことがネックとも言えます。
よって、経年的なニオイの消臭や即効性、除菌効果などの副産物的な効果も得たい場合はオゾンによる消臭(オゾン発生器の使用)がおすすめです。
オゾン発生器とイオン脱臭機の特徴を比較
続いて、オゾン脱臭機と比較されることも多い「イオン脱臭機」との比較をおこなっていきましょう。
これらはどちらも空気をキレイにする働きがあるという共通点がありますが、それぞれに長所と短所があります。
オゾンは前述のとおり酸化力が非常に強いため、短時間で空間全体を除菌・脱臭することができます。
ただ、効果を最大限発揮させるには一時的に空間内のオゾン濃度を高める必要があるため、使用中は空間内を無人にしたり換気をしっかりとおこなうなどの健康面への配慮が必要になります。
一方でイオン式の脱臭機は、人がいる空間でも安心して使えるのが大きなメリットです。
マイナスイオンやプラズマクラスターなどを使って空気中の臭い成分や菌にアプローチするため、人体に影響を与えることなく空気環境を改善することに向いていますが、その分効果の実感までには時間がかかることがイオン脱臭機のデメリットです。
上記で紹介した以外の特徴も含めて表にまとめると、以下の通りになります。
特徴・効果 | オゾン発生器 | イオン発生機 |
消臭の仕組み | オゾンによる酸化分解 | イオンによる臭気成分の化学変化・付着分解 |
得意な臭い | ペット臭・タバコ臭・カビ臭・しつこい生活臭 | 軽い生活臭・体臭・タバコ臭・調理臭 |
除菌効果 | 非常に高い(ウイルス・菌の不活化) | あり(空気中の菌やカビを抑制) |
即効性 | 高い(数十分で効果) | 低い(継続運転でじわじわ効く) |
使用中の安全性 | 無人空間が前提/高濃度で注意 | 有人空間でも常時使用OK/人体に安全 |
適した使用シーン | ホテル・店舗・退室後の部屋全体リセット | オフィス・リビング・寝室・ペットのいる空間など |
苦手なシーン | 在室中の空間/香料・塗料の化学臭 | 強烈な染みつき臭/空間全体のリセットには不向き |
メンテナンス | 換気・タイマー管理・濃度の管理が必要 | フィルター清掃・交換が必要な場合あり |
イオン脱臭機は人がいる空間でも安全に使用できることが最大のメリットですが、その分消臭・除菌効果はどうしても低くなってしまいます。
よって「高い消臭・脱臭効果を得たい、かつオゾン発生器の安全な使用方法を理解している」のであればイオン発生器がおすすめで、反対に「人がいる空間でも安全に消臭・除菌」がしたい場合はイオン脱臭機がおすすめだと言えるでしょう。
オゾン発生器の選び方や注意点

ここまでの解説で、オゾン発生器のメリットや適した活用に関してはある程度伝わったのではないでしょうか。
ここからは、実際にオゾン発生器を選ぶポイントや注意点を解説します。
オゾン発生器の選び方
オゾン発生器を選ぶ際は、事前に「使用する空間の広さ」を把握しておきましょう。
オゾン発生器は空間に対してのオゾンの発生量が少なすぎると効果が出にくく、反対に多すぎるとすぐに濃度が高まってしまい人体に影響を与える可能性が高くなってしまいます。
オゾン発生器にはそれぞれ適応範囲が設定されているので、空間サイズに合った製品を選ぶ必要があります。
用途・範囲別の選び方は以下の内容を参考にしてください。
- 10〜20㎡程度の狭い部屋や車内:タイマー機能付きの小型オゾン発生器(200mg/h前後)
- 家庭全体・リビングやペットスペース:中型のオゾン発生器(500mg/h程度)
- 業務用・ホテル・厨房・医療施設:1,000mg/h以上で、オゾン回収機能付きの業務用タイプ
使用前に確認しておくべき3つの注意点
オゾン発生器を安全に使うためには、以下の3つに注意しましょう。
- オゾンの発生中は空間内に立ち入らない
- 使用後は必ず換気をおこなう
- 説明書を事前に必ず読み込むようにする
1つ目と2つ目はここまで解説した内容から、オゾンによる悪影響を受けないために必要なことはすでに理解している方も多いかと思います。
よく皆さんが読み飛ばすのが3つ目の説明書の読み込みです。
オゾン発生器は選ぶ機器によって仕様が全く違うことも多いので、何となくで動かすのではなく必ず事前にしっかり読み込み、使い方を家族全員に周知するレベルまで徹底することを強く推奨します。
家庭用としてもおすすめのオゾン発生器2選

ここからは、主に家庭用としての使用に適したオゾン発生器を3つ紹介します。
サイズによってはオフィスの小会議室ほどの広さまでカバーできるものもあるため、使用用途に合ったオゾン発生器を探してみてください。
おすすめ1:オゾンウェイブ(OZONE WAVE)
オゾンウェイブは、業務用と家庭用の両方に対応したコンパクトなオゾン発生器です。
高性能ながら価格もかなり抑えられているので家庭でも使いやすく、寿命も長いため1度購入すれば長い期間安定して使用することもできるので、コスト面で見ても家庭向きであると言えるでしょう。
オゾン回収機能もついているので、室内のオゾンが高濃度になることも防いでくれる優れものなので、安価で高品質なオゾン発生器を求めていた方はオゾンウェイブを検討してみてください。
オゾンウェイブの詳細は以下の通りです。
製品名 | オゾンウェイブ(OZONE WAVE) |
定価(税込) | 272,800円(税抜248,000円) |
消臭範囲 | ~200m³(例:リビング・事務所など) |
機能 | オゾン回収機能、タイマー機能、軽量設計 |
用途 | 家庭・オフィス・ホテルなど幅広く対応 |
URL | 公式サイトを見る |
おすすめ2:ゲルリッツゼロ(G-Zero)
ゲルリッツゼロは、片手で持てるコンパクトサイズながらも最大約120㎡まで対応可能なオゾン発生器です。
小型で設置場所を選ばないため、ホテル客室や会議室、飲食店のフロアなどの業務用にも最適です。
オゾン回収機能の搭載やタイマー運転機能もあるため、外出時に設定して出かけ、帰宅時には消臭・除菌が完了した上で空間内の安全性も確保されるようにできます。
小型のオゾン発生器を探している方にはゲルリッツゼロをおすすめします。
ゲルリッツゼロの詳細は以下の通りです。
製品名 | ゲルリッツゼロ(G-Zero) |
定価(税込) | 297,000円(税抜270,000円) |
消臭範囲 | 約120㎡(例:ホテル客室など) |
機能 | オゾン回収機能、タイマー機能、持ち運び可 |
用途 | 小規模施設・宿泊施設・飲食店・家庭など |
URL | 公式サイトを見る |
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オゾンに関するよくある質問(FAQ)

最後に、オゾンについてのよくある質問に答えていきます。
Q1.オゾン発生器はペットや食品のある空間で使えますか?
基本的にオゾン発生器はペットや食品、人がいない状態で使うのが原則です。
また、オゾンは動物や植物にも影響を与えることがあるため、ペットのケージや観葉植物、食品などは使用前に別室に移動させるかしっかりと保護する必要があります。
食品や食器などは冷蔵庫や棚に閉まって扉を閉じておけば問題はありませんので、オゾン発生器の使用中に封が開いたままで外に出しているような状況だけは気を付けるようにしてください。
また、オゾンの匂いを感じなかったとしても使用後は必ず換気をおこない、そのうえでペットを部屋に入れたり食品を取り出すようにしてください。
Q2.オゾンの匂いが取れない時の対処法は?
オゾンの匂いがなかなか消えないときは、次の3つの可能性を考慮して対応してください。
- 換気が足りていない
→ 窓やドアを開け、30分以上の換気を心がけましょう。扇風機やサーキュレーターを使うと効率的です。 - 壁やカーテンにオゾンが吸着している
→ オゾンは布や壁の素材に一時的に残ることがあります。濡れタオルで拭いたり、空間にミストなどを軽く噴霧すると軽減されます。 - 空間に対してオゾンの発生量が多すぎる
→ 次回からはオゾンの発生量や稼働時間を減らしてみましょう。少しずつ調整することで、オゾン臭の残留も防げます。
一度オゾンの匂いが気になっても、正しく換気を行えば通常は数時間以内に自然に消えていくので、過度に心配する必要はありません。
まとめ|オゾンを怖がり過ぎず、効果的に消臭・除菌に活用しよう

オゾンは高濃度だと人体に影響を与えることから、世間では「オゾンの匂いが少しでもしたら危険」だと誤認されがちです。
しかし、オゾン(オゾン発生器)は正しく活用すればその強い酸化力で部屋内の臭いを根本から分解してくれるので、しつこいタバコ臭やカビ臭の悩みも一瞬で解決することができます。
オゾンにツンとした匂いがある点も、見方を変えれば「すぐにオゾン濃度が高いことに気付ける」ので、むしろ安全に使用するための判断基準に使えるとも言えます。
この記事を読んでいるほとんどの方は、部屋内の消臭・除菌に興味を持ちながらも「オゾン発生器は危険なのかも……?」と使用までは踏み切れなかったのではないでしょうか。
もしこの記事を読んでオゾンへの不安が払しょくされたのであれば、ぜひ部屋内のニオイ対策にオゾン発生器の使用を検討してみてください。