2026.07.23
ニオイセンサーとは?臭気調査・臭気監視に活用されるPOLFAとDeomoni

工場や製造施設、飲食店、ホテル、商業施設などでは、製造工程や設備、排気、排水など、さまざまな要因によって臭気が発生することがあります。しかし、臭気は煙や粉じんのように目で確認できるものではないため、発生源や臭気の強さを客観的に把握することは容易ではありません。
「どこからにおっているのか分からない」「臭気対策を行ったものの改善されたか判断しにくい」「苦情が発生したが原因を特定できない」といった課題は、多くの事業所で見られます。臭気対策を進めるためには、まず臭気の状態を適切に把握することが重要です。
そこで活用されているのがニオイセンサーです。ニオイセンサーは、空気中の臭気成分の変化を検知し、その状態を数値として把握できる測定機器です。臭気の発生源を調査するためのポータブルタイプと、施設周辺や設備の臭気を継続的に監視する定置タイプがあり、用途に応じて使い分けられています。
本記事では、ニオイセンサーの基本的な仕組みや役割を解説するとともに、臭気調査に活用されるポータブルタイプのニオイセンサー「POLFA」と、臭気監視に活用される定置タイプのニオイセンサー「Deomoni」について、それぞれの特徴や活用場面をご紹介します。
■ 目次
なぜ臭気問題は対応が難しいのか

臭気対策が難しい理由は、前述したとおり臭気そのものが目に見えないことにあります。
また臭気は空気中に拡散するため、「どこからにおっているのか」「どの程度の臭気が発生しているのか」を目で確認することはできません。
さらに、臭気は風向や風速、気温、湿度、設備の稼働状況など、さまざまな条件によって変化します。朝と夕方で臭気の強さが異なることもあれば、設備が同じように稼働していても、気象条件の違いによって臭気の広がり方が変わることもあります。
そのため、工場や事業所では「においは感じるものの原因が特定できない」「臭気対策を実施したが、本当に改善したのか判断しにくい」といった課題が少なくありません。また、臭気苦情が発生した場合でも、現地を確認したときには臭気が弱まっており、原因の特定が難しくなるケースもあります。
このような臭気問題に適切に対応するためには、感覚だけに頼るのではなく、臭気の状態を客観的に把握することが重要です。その手段の一つとして活用されているのがニオイセンサーです。
ニオイセンサーで臭気を「見える化」する

臭気対策を進めるためには、「においがする」「以前よりにおいが強い気がする」といった感覚的な判断だけでは十分とはいえません。臭気の状態を客観的な情報として把握することで、発生源の調査や対策の検討、対策後の効果確認などを、より合理的に進めることができます。
そのために活用されているのがニオイセンサーです。ニオイセンサーは、空気中に含まれる臭気成分の変化を検知し、その反応を数値として表示する測定機器です。人が感じるにおいそのものを測定しているのではなく、臭気成分の変化を電気信号として捉えることで、臭気の状態を数値化しています。
数値として記録できることで、臭気の強弱や時間帯による変化、設備の運転状況による違いなどを把握しやすくなります。また、対策前後の測定結果を比較することで、臭気対策の効果を確認する際の参考データとして活用することもできます。
もちろん、臭気対策では人の嗅覚も重要な判断材料です。実際のにおいの感じ方は人による確認が欠かせず、臭気判定士による嗅覚測定が行われる場面も少なくありません。一方で、臭気は時間や気象条件によって変化するため、継続的に状況を確認したり、変化を記録したりする場面では、ニオイセンサーによる測定が大きな力を発揮します。
このように、人の嗅覚による評価とニオイセンサーによる測定は、それぞれ異なる役割を持っています。両者を適切に組み合わせることで、臭気の状態をより正確に把握し、効果的な臭気対策につなげることができます。
ニオイセンサーは、すべて同じ用途で使用されるわけではありません。臭気の発生源を調査するために現場へ持ち運んで使用するポータブルタイプと、特定の場所へ設置して臭気の状態を継続的に監視する定置タイプがあり、目的に応じて使い分けられています。
ポータブルタイプは、臭気が発生している場所を調査し、臭気の強弱や変化を確認しながら発生源の特定を支援するための機器です。一方、定置タイプは、工場や事業所の敷地境界、設備周辺などへ設置し、臭気の変化を継続的に記録・監視することを目的としています。
つまり、「臭気を探すためのニオイセンサー」と「臭気を見守るためのニオイセンサー」というように考えると、それぞれの役割がイメージしやすいでしょう。
次章では、まず臭気発生源の調査に活用されるポータブルタイプのニオイセンサー「POLFA」についてご紹介します。
臭気調査に活用されるポータブルタイプのニオイセンサー「POLFA」

臭気対策では、まず「どこで臭気が発生しているのか」を把握することが重要です。しかし実際の現場では、臭気の発生源が一か所とは限りません。
例えば工場では、排気設備や排水設備、原料保管場所、製造設備など、臭気が発生する可能性のある箇所が複数存在します。また、飲食店やホテル、商業施設などでも、厨房排気やグリストラップ、空調設備、ゴミ保管場所など、さまざまな場所が臭気の原因となることがあります。
このような現場では、「においは感じるものの、どこが原因なのか分からない」という状況も少なくありません。そのため、臭気対策の第一歩として行われるのが臭気発生源調査です。
臭気発生源調査では複数の方法を組み合わせる
臭気発生源調査では、一つの測定機器だけで原因を判断することはほとんどありません。
臭気判定士による嗅覚確認をはじめ、スモークテスターによる気流調査やトレースガスを用いた漏えい調査など、目的に応じてさまざまな調査方法を組み合わせながら原因を絞り込んでいきます。
その中で、ニオイセンサーは臭気の変化を数値として確認できる測定機器として活用されています。
現場内を移動しながら各地点で測定を行うことで、臭気の強弱や変化を比較しやすくなり、臭気発生源を推定するための参考情報を得ることができます。
現場調査をサポートするポータブルタイプのニオイセンサー「POLFA」
共生エアテクノでは、臭気発生源調査に活用できるポータブルタイプのニオイセンサー「POLFA」を使用し、また販売もしています。
POLFAは携帯性に優れた測定機器であり、現場を移動しながら臭気の状態を確認できることが特長です。排気口周辺や設備付近、原料保管場所など、臭気が発生している可能性のある場所を順番に測定することで、臭気の変化を把握しながら調査を進めることができます。
また、嗅覚による確認だけでは把握しにくい臭気の変化を数値として記録できるため、調査結果を整理しやすくなるほか、臭気対策を検討する際の参考資料として活用することも可能です。
POLFAは、臭気の原因を探るための調査を効率的に進めるための機器として、工場や各種製造施設をはじめ、飲食店、宿泊施設、商業施設など、さまざまな現場で活用されています。
臭気監視に活用されるニオイセンサー「Deomoni」

臭気対策では、臭気発生源を調査するだけでなく、施設周辺や設備の臭気がどのように変化しているのかを継続的に把握することも重要です。
臭気は時間帯や設備の運転状況、風向・風速などの気象条件によって大きく変化するため、一度測定しただけでは十分な情報が得られない場合があります。特に、悪臭苦情が「特定の時間帯だけ発生する」「風向きによってにおいが届く」といったケースでは、長期間にわたる監視が原因究明につながることも少なくありません。
このような場面で活用されるのが、定置タイプのニオイセンサーです。
臭気を継続的に監視するという考え方
定置タイプのニオイセンサーは、一か所に設置して臭気の状態を継続的に記録するための測定機器です。
臭気の変化を一定間隔で記録することで、「いつ」「どの程度」臭気が変化したのかを時系列で把握できるようになります。
例えば、
・設備の運転開始とともに臭気が高くなる
・特定の曜日だけ臭気が変化する
・夜間だけ臭気が強くなる
といった傾向も、継続的な測定によって把握しやすくなります。
このようなデータは、臭気苦情への対応だけでなく、設備管理や環境管理の改善を検討する際にも役立ちます。
におい監視システム「Deomoni」
共生エアテクノでは、臭気監視に活用できる「におい監視システム Deomoni(デオモニ)」を提供しています。
におい監視システムDeomoniは、ニオイセンサーで測定した臭気データを無線通信によって送信し、離れた場所からでも臭気の状態を確認できる監視システムです。
工場や事業所では、敷地境界や設備周辺などへ設置することで、臭気の変化を継続的に監視し、管理画面からリアルタイムで状況を把握できます。
さらに、測定データは蓄積されるため、設備の運転状況や気象条件との関係を分析する際の参考情報として活用できます。
また、風向風速計などの気象観測機器と組み合わせることで、「どの方向から風が吹いていたときに臭気が高くなったのか」といった傾向も把握しやすくなり、悪臭苦情への対応や臭気管理の精度向上にもつながります。
用途によっては、排気監視ユニットなどを組み合わせ、排気臭気の監視に利用されることもあります。
このようにDeomoniは、臭気の変化を継続的に把握し、日常的な臭気管理や環境管理を支援するシステムとして、さまざまな施設で活用されています。
用途に応じて使い分けるニオイセンサー

ニオイセンサーは、臭気を数値として把握できる測定機器ですが、用途によって求められる役割は異なります。
臭気の発生源を調査する場面では、現場を移動しながら測定できるポータブルタイプのニオイセンサーが適しています。一方で、施設周辺や設備の臭気を継続的に監視したい場合には、定置タイプのニオイセンサーが適しています。
共生エアテクノが提供するPOLFAは、臭気発生源を調査するためのポータブルタイプニオイセンサーとして、現場での原因調査をサポートします。
一方、臭気監視システムDeomoniは、臭気の状態を継続的に監視し、設備管理や悪臭苦情への対応、環境管理を支援する定置タイプのにおい監視システムです。
どちらも臭気の状態を把握するためのニオイセンサーですが、目的は異なります。
POLFA:臭気発生源の調査・原因究明
Deomoni:臭気の継続監視・環境管理
このように用途に応じて使い分けることで、臭気の状態をより正確に把握し、効果的な臭気対策へとつなげることができます。
臭気の見える化で環境管理をスマートに

臭気問題に対応するためには、まず現状を正しく把握することが不可欠です。
ニオイセンサーを活用した「数値化」は、臭気対策を検討する上での重要な手がかりとなります。調査用の「POLFA」と、監視用の「Deomoni」を適切に使い分けることで、客観的なデータに基づいたスマートな環境リスク管理を実現しましょう。